犬の心臓や肺動脈にフィラリア(犬糸状虫)が寄生する事により起こる病気のことを「犬フィラリア症」と言います。
この病気は血液の流れが悪くなることにより、心臓・肺・肝臓などなど、身体に様々な悪影響を与えます。
■フィラリア感染の仕組み
フィラリアは蚊によって感染します。
蚊がフィラリアに感染した犬を吸血した時に、フィラリアの子虫(ミクロフィラリア)が蚊の体内に入ります。
そして、その蚊が別の感染していない犬を吸血した時に、子虫は蚊の体内から犬の体内へと移ります。
犬の体内に入った子虫は心臓や肺動脈に移動し、成虫へと成長するのです。
成長したフィラリアは犬の体内で子虫を産み、その子虫は蚊によって他の犬へと感染していくのです。
■感染してしまうと、どんな症状が出るの?
元気がない・食欲がない・咳をする・苦しそうな呼吸をする・赤い尿をする・お腹が膨らんでくる…など。
心臓が悪化し、あらゆる合併症を起こし命を落とすこととなります。
■感染しないためにはどうすればいい?
「犬フィラリア症」は予防が出来ます。
蚊の発生する約1ヶ月後から蚊がいなくなってから約1~2ヶ月までの間、
毎月一回予防薬を飲ませます。
この予防薬は、一度犬の体内に入ったフィラリアの子虫を殺す薬です。
この薬を安全に飲ませるためには、既に犬の体内にフィラリアがいない事を確認した上で与えてください。簡単な血液検査でわかります。
■どんな薬があるの?
当院では錠剤・チュアブル(おやつタイプ)の2種類をご用意しています。これらを4月末頃~11月末頃まで毎月一回飲ませていただくだけで予防が出来ます。(投薬期間はその年の気温によって決まります。)
■これだけは気をつけて下さい!
「予防期間が長いから途中で飲ませ忘れてしまいそう」…という方
当院では予防開始時にシールをお渡ししています。
まずはこのシールをご自宅のカレンダーの投薬日に貼って下さい。
毎月カレンダーをめくる度に投薬日がわかります!
「蚊がいなくなったからもう飲ませるのやめよう」…という方
予防は最後まで続けてあげて下さい。
前述したとおり、予防薬は一度犬の体内に入ったフィラリアの子虫を殺すものです。
最後の蚊によって感染した子虫を殺せるのは、蚊がいなくなってから飲ませた予防薬なのです!
「完全室内飼いだから予防はしない」…という方
蚊は家の中にも入ってきます。
予防をしていない室内犬のフィラリア感染率は意外に高いのです!
「去年の薬が余ってたから、今年はこれを飲まそう」…という方
ちょっと待って下さい!!
薬が余っているということは、去年の予防が不完全ということです。
もしかするとフィラリアに感染してしまっているおそれもあります。
フィラリアに感染してしまった犬がそのまま予防薬を飲むと、場合によりショック症状を起こし、体調を崩したり、最悪命を落としてしまうことがあります。
もしも前年度飲み忘れてしまった場合は、必ず血液検査でフィラリア感染の有無を確認してから予防を開始して下さい!
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