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今日はみなさんが年に1回接種するワクチンについてお話させていただきます。

ワクチンは、病気を引き起こす病原体に対して免疫をつけるために接種します。
免疫をつけておくことで、病原体がワンちゃんやネコちゃんの身体の中に入ってきた時に症状がでなかったり、症状が軽く済むことが期待されます。


では、どんな病原体に対するワクチンがあるのでしょう。
当院ではワンちゃんのワクチンとして、5種混合ワクチン、8種混合ワクチン、パルボウィルス単体のワクチンが、ネコちゃんのワクチンとして、3種混合ワクチンがあります。

5種混合ワクチンには、主に呼吸器症状を示す犬アデノウィルス2型犬パラインフルエンザウィルス、肝炎を引き起こす犬アデノウィルス1型、腸炎を引き起こす犬パルボウィルス、そして様々な症状を引き起こす犬ジステンパーウィルスが含まれています。
8種混合ワクチンは、5種混合ワクチンに含まれているものに加え、ネズミの尿から感染するようなレプトスピラウィルス(2つの型)、腸炎を引き起こす犬コロナウィルスが含まれています。

ネコちゃんの3種混合ワクチンには、ネコ風邪と呼ばれる猫ウィルス性鼻気管炎ウィルス、口内炎が特徴的な猫カリシウィルス、子猫で重症となる猫汎白血球減少症ウィルスが含まれています。

これらの病原体は、ワクチンで免疫がついていない状態で感染してしまうと重症化しやすかったり、時には死んでしまうようなものもあります。感染してから治療を行う、というよりも感染しないうちにワクチンで予防しておくことをお勧めします。

また、ワンちゃんのワクチンで忘れてはいけないのは狂犬病ワクチンです。
このワクチンは我が国の法律で年に1回接種することが義務付けられています。
狂犬病は、日本は清浄国となっていますが、海外では一部の国々を除いて世界に分布しています。狂犬病ウィルスは全ての哺乳類に感染し、人は主に狂犬病に感染した犬に咬まれることによって感染すると言われています。発症してしまったら、人も犬も100%死にいたる恐い病気です。そんな病気が海外から日本に入ってきたら大変です。ワクチンでしっかり予防をしましょう。

ここまでは、ワクチンのメリットとして病気を予防できる、といった話をさせていただきました。しかし、ワクチンにもデメリットはあります。稀にですが、ワクチンに対してアレルギー反応を起こしてしまうワンちゃん、ネコちゃんがいます。アレルギーの症状として、熱っぽくなって元気がなくなったり顔や注射部位が腫れてきたりすることがあります。一番恐い反応としてアナフィラキシー反応がありますが、これはだいたいワクチン接種後1時間以内に起こると言われています。ぐったりしてしまったり、痙攣が起きたり、呼吸が速くなる、といったようなショック症状が見られます。ワクチン接種後1~2日は注意深く様子を見てあげてください。そしてこのような症状が見られたら、すぐに病院に連れてきてください。
また、ワクチン接種後数十分ぐらい待合室や車の中でお待ちいただいて、少しの時間でもアレルギーの反応が起こらないかどうか病院で確認することもできますので、ご心配な方はお声をかけてください。

最後になりますが、ワクチンの効果を最大限につけるには接種時期が重要となります。ここからは少し、接種時期についてお話させていただこうと思います。
当院では、混合ワクチンについてワンちゃんもネコちゃんも60日齢で1回目の接種を行います。これは、ちょうどお母さんからもらった病原体に対する抗体が切れてくる頃で、自分自身の免疫反応として抗体が作られる時期となります。
2回目の接種は90日齢で行います。これは、1回目の接種で病原体に対する記憶があるので、2回目を行うことで短時間にたくさんの抗体を作ることができます。
これで免疫が完成し、次からは1年後の接種となります。
狂犬病ワクチンにおいては、91日齢以上のワンちゃんは所有してから30日以内に登録し、鑑札の交付を受けるとともに、ワクチンを接種させなければいけません。

ワクチンは病気からワンちゃんやネコちゃんを守る上で重要です。少しでも飼い主さんのワクチン理解の手助けができたら幸いです。
ご質問等ありましたらお気軽に病院にお問い合わせください。




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